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海賊とよばれた男 (百田尚樹) 。自分の信念を貫き通す主人公のリーダーシップ

今回は、百田尚樹氏の小説 海賊とよばれた男 です。

文庫本は上下巻の2冊があり、上巻からビジネスへの示唆を書いています。海賊とよばれた男に学ぶリーダーシップです。

 

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

海賊とよばれた男 (上)

 

 
エントリー内容は以下です。

  • 本書の概要
  • 海賊と呼ばれた男のリーダーシップ
  • リーダーに必要な3つの力

 

本書の概要

以下は、内容紹介からの引用です。

1945年8月15日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社 「国岡商店」 の店主だ。

一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

 

上巻では、前半は、戦後直後からどん底状態である 「国岡商店」 がゼロから再起する様子が描かれています。後半では、主人公の生い立ちに戻り、戦前から大東亜戦争の時代の活躍が書かれています。

なお、本書の主人公である国岡鐵造は、実在の人物である出光興産創業者 出光佐三をモデルにしています。

 

自分の信念を貫き通すリーダーシップ

海賊とよばれた男 の上巻を読み、主人公の言動からあらためてリーダーシップについて考えさせられました。

主人公・国岡鐡造のリーダーシップは、自分の信念を貫き通すスタイルです。その姿にまわりは惹きつけられていきます。

国岡の信念が惹きつけるのは、一言で言えば利他を優先するからです。会社の利益よりも、国や社会への還元、消費者への利益を第一に考える、社員を本当の家族のように大切にします。

目の前のことで一時的に損をしても、それが日本の将来のため、国の平和につながると思えば、同業他社の誰もが決してやらないような案件を正面から引き受けます。

 

リーダーに必要な3つの力

ここからは、国岡鐡造を読んで思ったことです。

私が考えるリーダーシップに必要な要素は3つです。

 

以下、それぞれについてご説明します。

1. 構想力

リーダーとは目標やゴールという未来に向けて先導する人です。

いかに未来という夢をなるべく鮮明に、具体的なビジョンとして描けるかです。未来を絵にするためには、その未来が自分の中で見えていないといけません。他の人には見えていないものがリーダーとなる人には見えている必要があります。

描いた絵を自分だけで終わらせずに、人々に示し、何度でも語ることが大事です。人々にはまだ見えていない、まだ気づいていない未来なので、始めは受け入れられないかもしれません。始めは単なるバカに映ることもあり得えます。

未来を示し続け共感してくれるフォロワーが生まれれば、1人の夢が皆の夢になります。その人はリーダーになります。

2. 決断力

誰が考えても答えが1つしかないような場合は、リーダーは特に不要です。答えのない状況こそ、リーダーが必要になります。

大事な決断を迫られる場面では、A か B で甲乙つけがたいものです。50 : 50 なものを 51 : 49 と見極め、決断できるかです。決めるとは、選ばない選択肢をいかに捨てられるかです。どれだけ腹をくくれるかがリーダーには求められます。

3. 人間力

どこか人を惹きつけるなど、魅力的な人間であることもリーダーの大事な要素です。

リーダーとはフォロワーという存在がいてはじめて成立します。フォロワーの立場から見て、この人ならついて行っても良いと思える人間力があるかです。

人間力と一言で言っても多様です。未来を語ること自体が魅力的に映る、始めに起こした行動がフォロワーを惹きつける、大事な場面での決断や責任感、人々を明るくさせるユーモア、うそをつかない誠実な態度です。

自らの人格を高めるだけではなく、まわりの仲間にもベクトルが向けられるかです。理解し、信頼し、感謝の気持ちを抱き、感謝を伝えることです。

 

海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

海賊とよばれた男 (上)