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「10年先の自分」 をつくる (工藤公康) 。10年先のために今何をやるか

今回の書評は、「10年先の自分」 をつくる (工藤公康) です。

  

「10年先の自分」をつくる (中経出版)

「10年先の自分」 をつくる

 

 

エントリー内容です。

  • 著者と本書の概要
  • 10年先のために今何をやるか
  •  「今」 を積み重ねて未来をつくる

 

著者と本書の概要

工藤公康氏は、プロ野球の投手として通算224勝を上げました。

特筆すべきなのは29年という現役生活の長さです。プロ野球は平均期間が10年弱と言われます。多くの選手が6~7年でユニフォームを脱ぐ、厳しい世界です。

本を読む前にタイトルから想像した内容は、次のようなことでした。

  • 10年先の自分をイメージし、逆算して今何をするかを明確にすべき
  • プロ野球の世界で工藤公康は、これをどう実現したか

 

しかし、読み始めてみると、良い意味で期待は裏切られました。

本書の内容を一言で表現すれば、10年先の未来から逆算してではなく、今何やることを積み重ねていけば、結果として10年先の自分ができているというものです。

 

10年先のために今何をやるか

工藤氏が本書で強調していたのは、今の自分に何が足りないのかを必死で考えること、足りないもののために何をすべきかを自分で考えること、自ら行動することです。何よりも繰り返しです。

工藤投手のような球界を代表するエースでも、成功した年の翌年は怖かったと言います。前年に通用した自分のボールが、翌年は打たれるのではないかという恐怖が常にありました。

生き残るためには何が必要なのかを考え、対応するために新しい挑戦をすることの重要性が書かれています。以下は該当箇所からの引用です。

長く結果を出し続けている人は、よくなるために 「新しいことを知ろう、理解しよう」 ということを怠りなくやっています。20勝した人間が、永遠に20勝できるはずがないーーそれがプロの世界です。

相手が研究してくるなかで、同じレベルで戦ったら、今度は打たれます。だから、新しい球種を覚えたり、コントロールに磨きをかけたり、それまでとは違う配球をしたりして、少しでも上のレベルにいけるよう 「新しいこと」 への探究心を持ち、変化するために実行できる。

 (引用:「10年先の自分」 をつくる (工藤公康) )

 

 「今」 を積み重ねて未来をつくる

工藤氏の考え方で思ったのは、今という時間の大切さです。

自分とは、過去の 「今」 が積み重なった結果です。それは、5年後も10年後も変わりません。これから先の今の総体が将来の自分です。今を積み重ねていくことは、この一瞬の時間を大切にすることです。1つ1つの積み重ねが、これからの自分をつくっていきます。

 

最後に

本書からは、工藤氏のプロ意識を現役時代だけではなく引退後も含めて垣間見ることができます。プロフェッショナルのビジネスパーソンを目指す方には、随所に考えさせられる内容です。

仕事における自分の役割は何か、役割に対して貢献し、期待以上の成果が挙げられているかです。

  

「10年先の自分」をつくる (中経出版)

「10年先の自分」 をつくる