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1年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス (三浦由紀江) 。現場を知っているからこそ、価値のある提案やアウトプットが出せる

1年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス という本から、「現場の大切さ」 について考えます。

 

 

現場を知っているからこそ、価値のある提案ができます。

エントリー内容です。

  • 経験に基づくセールストーク
  • データ分析に見る 「現場の大切さ」

 

経験に基づくセールストーク

本書には、現場の大切さが書かれています。

以下は、本書の該当箇所からの引用です。

自分が食べたこともない駅弁を自分の想像だけで売りつけるのはお客様に失礼だと思いました。

 (中略)

旅行先で駅弁を食べた経験を活かせば、セールストークの幅がグンと広がります。

たとえば 「これから米沢へ行く」 というお客様なら、

 「それなら行きの新幹線で新潟の『新潟たれかつ重』を食べて、帰りは米沢の『牛肉どまん中』を食べてくればいいんじゃないですか?『牛肉どまん中』は、駅前のお弁当屋さんで買うと、ほかほかの炊きたてご飯を詰めてくれますよ」

と提案できます。これは現地を知っている私の強みです。

 (引用:1年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス)

 

この引用部分が教えてくれるのは、自分がお客さんに売るものについて、自分の体験からの経験があることの大切さです。

また、本書では、著者が駅弁開発のために地方の駅弁業者に足を運び、料理人と喧々諤々の議論をして新しい駅弁を開発したエピソードが出てきます。完成された駅弁の味を旅行先で食べて知っているだけではありません。どういう製造工程で駅弁が作られるかも現場に行き、知っているのです。


データ分析に見る 「現場の大切さ」

ここまでの話を、データ分析に当てはめてみます。「現場を知っている」 とは、データ収集と収集されたローデータを実際に見て知っていることに相当します。

ローデータを知っていること

 「現場の大切さ」 、つまりローデータへの理解とは、自分が扱う分析やレポートを作成するためのデータについて、以下の2つを知っている、または経験していることです。

  • そのデータがどうやって収集されたかを知っている。自分自身がデータを収集した、あるいは被験者として収集された体験がある
  • 収集されたローデータを見たことがある。自分の手で加工したことがあるなど、集計前のローデータを自分で扱った経験がある

 

データ分析のステップ

データ分析は大きく4つのステップがあります。

  • 分析課題設定と仮説をつくる
  • データ収集 (ローデータの入手)
  • データ加工、集計、分析
  • 分析のまとめ、示唆や提言をつくる、レポート作成や報告

 

 「現場」 を知っていることの強み

冒頭の駅弁のエピソードの引用では、実際に自分が食べたことのある駅弁なので、説得力のあるセールストークができていました。著者は 「現地を知っている私の強み」 と言っています。

データ分析でも同じです。

データ分析では、上記ステップ2の 「データ収集」 は必ずしも自分がしなくても、データは用意されているケースがあります。ローデータがどのようなものかを実際に見て知らなくても、データ分析やレポート作成はできてしまいます。

しかし、データ収集の現場の経験、つまり実際に収集されたローデータを体験しているからこそ、集計プロセスで異常値を発見できたり、結果に違和感を持つことができます。データ集計結果を鵜呑みにせず、より深い洞察が出せます。

データ入手の現場の経験は、誰もがやるわけではありません。だからこそ惜しまずにやれば、他の人にはできない自分ならでは価値のあるアウトプットが出せるのです。

データ分析結果の報告先やレポートの受け手も現場は知らないので、自分が現場を知っていれば受け手が知らない情報を持っていることになります。受け手よりも情報の質で優位にあります。受け手が知らない情報を提供できます。