論点思考 - BCG 流 問題設定の技術 (内田和成) 。現象から論点にできればアクションが取れる
論点思考 という本をご紹介します。
エントリーの内容です。
- その問題設定は正しいか
- 現象と論点の違い
- 論点にできればアクションが取れる
その問題設定は正しいか
本書の問題提起は、問題解決の前提として 「そもそもの問題設定は正しいか」 というものです。
以下は本書からの引用です。
問題解決はビジネスで成果をあげる際にとても重要なものだが、暗黙の前提として 「正しい問題」 を解いていることを想定している。
しかし、考えてみてほしい。あなたがいま解いている問題、あるいは、これから解こうとしている問題は正しいのか、他に解くべき問題があるのではないかと。
ここを一度考えてみようというのが本書の狙いの一つでもある。
(引用:論点思考)
起こったことの現象は論点ではない
読んで印象に残ったのは、「論点は、一見してわかる単なる問題点 (現象や観察事実) ではない」 というものでした。
本書の論点の定義は、「解くべき問題」 です。
目の前の事象はあくまで結果であり、解くべき問題は根っこにある原因です。
論点の具体例
本書で説明されていた論点 (解くべき問題) の具体例をご紹介します。
会社に不法に侵入者が入り盗難被害にあったという想定です。会社が被害にあったことは確かに問題ではあるものの、これ自体は事象です。論点ではありません。
では何が論点になるのでしょうか。
本書では論点候補として4つ挙げられています。
事象:不法侵入や盗難を防げなかった
論点:防犯体制をどう強化するか
事象:会社の物品盗難による損害や今後のリスク
論点:損失額や、盗難に伴ってさらに発生する被害リスクをどう評価するか
事象:侵入者や盗難発生の社内報告が遅れた
論点:情報共有の仕組みをどう構築するか
事象:盗難被害が報道され会社のイメージが低下
論点:イメージダウンをどう回復するか
論点にできればアクションが取れる
「会社が盗難に遭った」 という事象では、次のアクションをどう取るかが具体的にはわかりません。なぜなら、単に発生事象であり、本書でいうところの論点 (解くべき問題) に落とし込めていないからです。
上記の例のように論点にできれば、打ち手に進められます。論点の優先順位も決められます。
最後に
本書では、問題として捉えてしまいがちな現象や観察事実を、いかに論点にするかについてわかりやすく書かれています。著者のやり方や考え方、経験談から具体的に説明されています。
問題解決に入る前に、そもそも解くべき問題は何かは、汎用的なビジネススキルとして役に立ちます。