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読書の技法 (佐藤優) 。5分で1冊を読むような速読は、あくまで熟読すべき本を仕分けるため

読書の技法 - 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術 「超」 入門 という本を取り上げます。著者は佐藤優氏です。
 

  

エントリー内容です。

  • 佐藤優氏の3つの読書法
  • 超速読と熟読の方法
  • 読むべき有益な本を見い出すために

 

佐藤優氏の3つの読書法

佐藤氏は、月平均で300冊以上を読み、多い月で500冊を超えるとのことです。1ヵ月で300冊ということは1日に10冊読んでいることになります。佐藤氏は本は4万冊を持っているそうです。

月間300冊もどうやって読んでいるのでしょうか。この本は、タイトル通り佐藤氏の読書の仕方が紹介されています。

佐藤氏は読書の技法は3種類です。

  • 超速読 (5分)
  • 速読 (30分)
  • 熟読 (数日~1週間)

 

超速読と速読は、熟読のためにあります。

速読の目的は取捨選択です。速読から、時間をかけて読む必要のない本かどうか、熟読すべき価値があるかを判断します。速読は、その本が自分にとって有益なのかを仕分けるためです。

 

1冊を5分で読む 「超速読」 の方法

佐藤氏の読書法でユニークなのは、速読が2つあることです。1冊の本を5分くらいで読む超速読の方法は以下の通りです。

 

超速読の技法

  • 序文の最初の1ページ、目次を読む
  • それ以外はひたすらページをめくる。文字は読まずページ全体を見る
  • 気になる箇所は印をつける (シャーペンで印をつける、ポストイット貼る、ページ折っておく)
  • 結論部のいちばん最後のページを読む
  • 本全体の印象をつかむ。同時にその本で読むべき箇所の当たりをつける

 

特徴は、シャーペンで印をつけたりポストイットを貼るなど、「本を汚く読め」 と言っていることです。

 

熟読の方法

速読をして、時間をかけて読む価値があると判断できれば熟読をします。佐藤氏は、熟読では数日、中には1週間を超える期間をかけることもあるそうです。

 

熟読の技法

  • 線を引きながらの通読。シャーペンで印をつけながら読む
  • 1回目で印をつけた部分で、特に重要だと思う部分をノートに写す
  • 結論部分を3回読み、再度通読
  • 読むべき有益な本を見い出すために

 

本書 読書の技法 で役に立ったのは、速読の方法よりも、1冊の本にじっくりと時間をかける熟読でした。

もし時間が無限にあるのであれば、全ての本を熟読できます。しかし、現実はそうではありません。1日の中で読書にかけられる時間は限られており、人はいつかは死ぬ以上、人間は時間という最大の制約条件を抱えています。

だからこそ、有限の時間の中でどの本を熟読し、どの本に時間をかけないかの判断が重要なのです。

 

読むべき有益な本を見い出すために

人は一生の間に読める本の数は限られています。1週間に2冊ペースで読めば年間100冊です。それを50年続けても5000冊程度です。世の中で存在する本のうち、わずかでしかありません。

読む価値のある本にどれだけ巡り会えるかです。速読と熟読を使い分け、読むべき有益な本に時間をかけられる目利きができるかです。