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聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド (山田一成) 。アンケートは回答者とのコミュニケーションである

聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド という本をご紹介します。

 

聞き方の技術―リサーチのための調査票作成ガイド―

聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド

 

 

エントリーの内容です。

  • 本書の内容
  • 回答者はウソをつく!?
  • アンケートは回答者とのコミュニケーション

 

本書の内容

以下は内容紹介からの引用です。

あいまいな回答が返ってこない質問はどのようにしてつくる?

マーケティング・リサーチャーのみならずビジネスピープル一般に欠かせない的確な調査票作成のツボを、実務に即して手取り足取り解説する待望の解説書。

 

ウソが混じっているかもしれない回答の扱い

この本の帯には 「回答者はウソをつく!?」 と書かれています。

確かにアンケート回答者が嘘をつく可能性はあります。しかし、本書を読み進めると、それよりも大切な視点を気付きとして与えてくれます。以下は本書からの引用です。

ウソがあるかもしれない調査データを、どのように扱ったらよいのでしょうか。 (中略)

問題にすべきなのは、ウソがあること自体ではなく、ウソが混じっているかもしれないデータから、どうすれば意味のある情報や役に立つ情報を取り出すことができるか、ということなのです。

 (引用:聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド

 

ポイントは、アンケート結果データの品質で問われるのは、ウソをつく可能性がある回答者側ではなく、アンケート実施者や分析者側にあるということです。

もちろん、理想はウソのない回答データであることです。ただ、現実的にウソやバイアスのないデータは存在しないと言ってよいでしょう。この現実の中で分析者はデータの集計結果から何を読み取るかです。

 

調査回答データに答えを求めない

一人のリサーチャーとして私が大切にしたいと思っているのは、アンケートなどの調査データに 「答えそのもの」 を直接に求めないことです。

アンケート結果データから、アンケート実施者は自分の知りたいことを見つけることです。想定と違うことに驚き、そこからまた新しいアイデアや仮説を発見するのです。

対象者に聞いて答えを出してもらうのではなく、答えを見つけ出し、何かしらの発見をするのはあくまで自分です。

 

アンケートは回答者とのコミュニケーション

本書に書かれていた、アンケート調査について印象的だった考え方がありました。該当箇所を引用します。

調査は言葉を介して行われる回答者とのコミュニケーションです。

従って、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションと同様、さまざまな誤解やすれ違いがあって当然だと思わなければなりません。そして、それに気づくところから、リサーチャーの本当の仕事が始まります。

 (引用:聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド

 

アンケートを 「コミュニケーション」 と捉えれば、質問のつくり方の意識も変わります。普段の自分と誰かとの会話で、言葉や態度に失礼がないようにするのと同じです。

アンケートにおいても、不適切な表現やわかりにくい書き方、相手への尊重なき言い方は避けるべきです。

 

誘導質問

人と人とのコミュニケーションでは、質問の仕方によって相手の受け答えを誘導することが起こりえます。

アンケートにおいても同様です。誘導質問 (leading question) と呼ばれます。本書では誘導質問を次のように説明します。

「誘導質問とは、回答者に回答者自身が思っていることとは異なる回答をさせやすくする質問である」 。

また、回答者の視点から見ると、こうした誘導質問は 「質問者や質問者の意図をうかがい知れるように思われる質問」 であると同時に、「どう答えるかが、あらかじめ決まっているように思える質問」 でもあります。

 (引用:聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド

 

本書で紹介されている誘導質問は、例えば以下のような設問です。

このサプリメントには脂肪を燃やす成分が含まれており、ダイエットにもよいといわれていますが、あなたは今後、飲んでみようと思いますか。

 (引用:聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド

 

アンケート調査として問題なのは、質問文にサプリについてのポジティブのみの情報が入っていることです。単に 「あなたはこのサプリメントを今後、飲んでみようとおもいますか」 と聞くことに比べ、飲んでみたいという回答を誘導させる設問になります。

 

最後に

本書を読みながら、アンケートの質問は奥が深いとあらためて考えさせられました。読んで実践すれば、アンケートの質問は技術として鍛えることができます。

 

聞き方の技術―リサーチのための調査票作成ガイド―

聞き方の技術 - リサーチのための調査票作成ガイド