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世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法 (ピョートル・フェリークス・グジバチ) 。主体的に自分の今の仕事をなくす

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法 という本をご紹介します。

 

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法法

 

 

エントリー内容です。

  • 仕事の生産性をいかに上げるか
  • アウトプットを高めるために
  • 自分の仕事をなくす

 

仕事の生産性をいかに上げるか

本書の 「はじめに」 には、次のように書かれています。

この本を開いたみなさんの中には、「なかなか仕事が終わらない」 「大事な仕事をしたいのに、どうでもよい仕事に追われて何もできない」 などと問題を抱えている方もいるでしょう。

だとしたら、本書でご紹介することは、なんらかのお役に立てるはずです。

 (引用:世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法)


この本のテーマの一つは、仕事の生産性をいかに上げるかです。本書には、著者の考えやグーグルの働き方が紹介されています。

なぜ生産性が低くなるのか

日本企業はなぜ生産性が低いのかについて、本書には次の3つが書かれています。

  • 持ち帰って検討しすぎる
  • 分析・検討しすぎる
  • 打ち合わせ・会議など多くのコミュニケーションがコスト・ムダにしかならない

 

持ち帰りではなくリアルタイムで

本書のタイトルは、「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか」 です。著者の考えは、仕事でメールを使うよりも、リアルタイムで働くことを意識すべきというものです。

リアルタイムのコミュニケーションとは、チャットや関係者で直接会って話すことなどです。一方のメールは 「持ち帰り」 です。

メールではなくチャットを使うことが意味するのは、持ち帰って検討するのではなく、その場で意思決定をするやり方が効率的である、ということです。

そもそも生産性とは何か

生産性とは、インプットに対してどれだけアウトプットが出せるかです。式で表せば次の通りです。

生産性 = アウトプット ÷ インプット

本来、生産性を上げるためにはアウトプットとインプットの両方から取り組むことが大事です。

しかし、メディア等で語られる議論は、分母のインプットをいかに小さくし、省力化できるかが焦点になっています。例えば、残業をなくすなどの労働時間の削減です。

 

アウトプットを高めるために

生産性を考える際に、インプットだけではなく、それ以上に重要なのはアウトプットをいかに増やすか、質を上げるかです。より価値のあるアウトプットを出せるかです。

この本のタイトル 「世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか」 からは、生産性におけるインプットについて、特にいかに効率よく、速く仕事をするかに焦点が当てられているように見えます。

インプットに偏った内容を連想させますが、本書にはグーグルのやり方を中心に、アウトプットを高める具体的な方法が紹介されています。

具体的には次の通りです。

  • 論理や分析だけではなく、「ひらめき」 を大切にする
  • 一人で考えたり仕事をするのではなく、異なるメンバーの集合知を活かしてクリエイティブな発想を
  • 言葉だけでやりとりするのではなく、プロトタイプ (試作品) で議論する。目の前に実際のモノがあれば認識の違いによるコミュニケーションロスが防げる

 

自分の仕事をなくす

本書の内容で興味深く読めたのは、「自分の今の仕事をなくす」 という考え方でした。

今の仕事をなくせないか

以下は、本書からの引用です。

みなさんにお伝えしたいのは、「自分の仕事を壊す」 ということです。自分の仕事を自分でしなくて済むようにすることこそ、究極的な 「効率化」 であり、今後生き残るために必要なことです。

 (中略)

こんな時代には、「自分の仕事がなくなる」 ことを恐れるのではなく、むしろ 「どうしたら自分の仕事を IT に置き換えられるか」 「どうすればもっと自動化・省力化できるか」 を考えてほしいのです。

 (引用:世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法)

 

自らで積極的に自分の仕事をなくすことを考えることには、ある前提があります。自分の仕事がこれからもあり続けることはない、という認識です。続かない理由は、環境が常に変わるからです。

もう一つは、変わらないと生き残れないことです。生き残れないとは、自分以外の誰かに負けてしまうことです。具体的には、これからの若い人や AI などの機械です。

自分の仕事をなくすために

自分の今の仕事なくすためにどうすればよいかと考えると、今の仕事のやり方に無駄があるのではないかという視点を持てます。今のやり方のままでよいなのか、それとも変えられることがないかでは、どちらの視点を持っているかで違いは大きいでしょう。

本書で印象的だったのは、自分のやり方を変える際に、10% の改善ではなく10倍の成果を出すためにどうすればよいかと考えることでした。10% ではなく10倍というのは、ムーンショットとも言われるグーグルのカルチャーです。

もう一つ興味深かったのは、自分の仕事を AI に任せられないかと考えることです。何か自動化できることはないか、機械に任せて自分よりも質を上げられないかです。

自分の仕事をなくすことは 「手段」

注意が必要なのは、自分の仕事をなくすことが最終的な目的ではないことです。自分の仕事をなくすことは手段にすぎません。

この話と、生産性がインプットに対してアウトプットであることをつなげると、単に自分の仕事をなくすだけではインプットもアウトプットもなくなるだけです。

大切なのは、なくした分の自分の時間やエネルギーを、新しいことに振り分けることです。

自分のリソースを新しいことに使う際に参考になると思ったのが、学びになるか × 貢献できるかのマトリクスで考えることでした。

最も良いのは、自分の学びになること、かつ、成果が上げられまわりやチーム、組織内だけではなく、顧客や社会に貢献できることです。

 

最後に

今回のエントリーは、世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか という本から、生産性を高めること、自分の仕事なくすことを書きました。

本書では他に、疲れない働き方や人間関係のつくり方も紹介されています。

タイトルだけを見ると小手先のグーグル仕事術が書かれている印象を受けますが、全体を通して興味深く読めます。

 

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法

世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか - グーグルの個人・チームで成果を上げる方法法